「自動車保険を新たに入りたい、見直したいと考えた時に周りの人から「AIG損保」という会社で入っているという話を聞きました。しかし、AIG損保という会社が具体的にどのような会社なのか良く解らないので詳しく知りたい。」
このような相談を時折いただきます。AIG損保という会社に馴染みのない方は多いです。そこで今回はAIG損保という会社についての解説と自動車保険としてAIG損保の特徴や評判などについて詳しく解説していきます。
この記事を見ることでAIG損保に安心して自動車保険に加入できる。AIG損保の自動車保険の特徴が掴めたので他の保険会社と比較検討ができる。そのような内容になっています。
Contents
AIG損保の会社概要を解説
それではAIG損保の会社概要について解説していきます。AIG損保の正式会社名は「AIG損害保険株式会社」になります。以下の文章では「AIG損保」や「AIG」と略称で記載します。AIGはAIU損害保険と富士火災海上保険の2社が合併し2018年1月からAIG損保となりました。AIGの大元はニューヨークに本社を置く多国籍金融サービス企業です。米国、フランス、ドイツ、英国など31カ国に拠点を置いています。AIGは、生命保険、損害保険、商業銀行、資産運用など、幅広いサービスを提供しています。AIGはまた、米国やその他の国々の顧客に様々な自動車保険 を提供しています。
以上のように現在は外資の損害保険となっていますが、合併前の富士火災は日本の損害保険として歴史ある会社だったので外資と日本型の両方の社風が混在している会社となっています。私は普段から損害保険の代理店として様々な保険会社の商品や業界の方と接していますが、AIG損保といったら「法人保険に強い」というイメージがあります。
例えば、法人向けの怪我や労災などの補償をする商品がありますが、他の会社では怪我に特化した商品になりますが、AIGの商品はさらに病気で入院した時にも補償されます。医療保険と同じような補償を受けることができる優れた商品になります。
このようにAIG損保については世界的なAIGグループの一員として日本で大きく展開をしている会社になります。
AIG損保の業績は大丈夫なのか?調査を実施
AIGは、自動車保険の提供において長い歴史と実績があり、その業績は一般的に非常に安全であると考えられています。ムーディーズやスタンダード&プアーズなどの独立系格付け会社から高い評価を受けています。日本法人であるAIG損保の資本金は137億円となっています。
大手損害保険会社の東京海上日動の資本金が1,019億円と比較するとかなり少ないように感じますが、世界全体のAIGグループの株主資本は659億ドルと大きな資本力を持っています。また、AIGは、米国保険協会、米国保険委員会、米国損害保険協会など、権威ある業界団体から数多くの賞や賞賛を受けています。
以上のようにAIG損保は日本法人の資金力は大手損害保険会社に及ばないものの、本家であるAIGグループが巨大な資本力があるため急に倒産するリスクはありません。また、あなた自身の保険が倒産によりなくなってしまうというリスクはないので安心してください。
AIG損保は評判が良いのか?悪いのか?について調査
AIGの評判について調査しました。外部機関の評価をもとにどのような口コミがあるのか調べていきましょう。様々なジャンルの順位をつけているオリコンでの評価は総合点が75点となっています。これは代理店型、ネット型保険両方の保険会社を合わせた全体の中で3位の好成績となっています。
尚、1位はソニー損保、2位がおとなの自動車保険(セゾン自動車火災)といずれもネット型保険となっており、3位のAIGは代理店型の自動車保険としてはトップの順位となっています。
評価の高い理由として、オリコンが実施したアンケートをみると代理店や担当者の信用、信頼が主な理由となります。また、事故対応についても迅速、丁寧と評価されています。顧客満足度の指標で有名なJDパワー社によるランキングは代理店型においてAIGはオリコン同様1位となっています。「契約内容/契約手続き」、「価格」、「顧客対応」、「保険証券」、「事故対応/保険金支払」の全ファクターで最高評価となっています。
しかし、他の口コミサイトなどを調べると事故の対応の遅さ、複数保険使用による契約更新の停止などのコメントも記載されています。真偽については定かではありませんが、格付け会社の評価が高いからといって全ての人に満足のいく結果であるという訳ではないので注意が必要となります。
AIG損保の事故サポート体制について解説
当サイトでは他の保険会社の記事でも記載していますが、口コミなどの評判については主観的な要素が強いため、客観的な指標として各社の事故サポート体制を採用しています。事故をサポートする部署がどのぐらいあるのか。全国のどの地域にあるのかを見ることであなたが事故をしたときに地域の部署が親身に対応できるかで判断します。
事故の専任の担当者により報告の迅速さ、頻度、応対力などは異なりますが、住んでいる地域に事故の部署があればこちらが要望する調査などを事故現場や修理工場などに直接訪問し、対応することが可能です。そういった観点からもサポート体制を見ることは重要になります。
AIGの事故サポート体制
AIG損保は、全国各地に数多くの拠点を持ち、事故サポート体制を整備しています。それぞれの拠点には専門のスタッフが配置され、迅速かつ丁寧な対応が可能です。
まず、本社をはじめとする大都市には、事故対応専門のチームが設置されており、24時間365日対応が可能です。それに加え、全国各地に数多くの支店を持ち、地域密着型のサポートも提供しています。
さらに、AIG損保は、全国の自動車整備工場やガソリンスタンドなどにも事故対応のパートナーとして提携しています。具体的な対応としては事故後の修理対応やどのぐらいの損害額になるかの調査や損害額の算出などを行います。
また、AIG損保は、事故発生後の修理工事や賠償金の支払いなどに関するサポートも提供しています。保険契約者は、AIG損保のホームページから保険に関する情報を確認したり、クレームを提出することができます。
以上のように、AIGはネット型保険とは異なり全国各地に事故サポートの拠点が存在し、各拠点で事故に対しての調査や対応を行なっているため、現場を理解していない、事故内容を理解していないという心配はありません。
あとは担当者による対応によって好感がもてたり反対に不満が募ったりすることはありますが、サポート体制による不満については少ないとみて良いです。
AIG損保の自動車保険の特徴を解説
AIGの自動車保険の特徴について解説します。家庭用の自動車保険商品である「AAP」は多くの保険プランを提供し、カスタマイズ性の高い保険サービスを提供しています。大手損害保険会社の自動車保険と比べても補償内容で見劣りするものはありません。弁護士費用についても自動車だけでなくオプションとして日常の被害事故において賠償請求や相談などを行うものもあります。
人身傷害保険においては自転車などの交通乗用具に乗っている時に転倒し怪我を負った時も補償の対象となります。車両新価特約もついているので新車を買って数年の間は大きい事故で破損した場合は新車相当額を補償することもできます。この辺はネット型では少ない安心した補償となっています。
AIG独自の補償としてはオプションになりますが、「経営者サポート費用補償特約」というものがあります。これは法人契約者が加入する自動車保険商品「AAI」につけれられるサービスですが法人の役員や従業員が死亡や後遺障害を負った場合に事業主が負担する損害に対して保険金を支払うサービスです。
具体的な内容として事故に遭い死亡や後遺障害を負った役員、社員に対してお見舞い金や香典、弔慰金などを遺族に支払った場合、葬儀費用などを負った場合。遠隔地で事故に遭った場合、捜索費用や移送費用などの救援費用。代替で採用しなくてはならない社員の採用費などを補償します。
法人保険に強いAIGならではの補償ですね。
以上のようにAIGの自動車保険は特徴としては大手損害会社と遜色のない補償内容を選択することができ、かつ法人としては役員や従業員に大事があった時に補償される独自のサービスも有しています。
AIG損保のロードサービスの内容について解説
事故や故障で車が動けなくなった時、万が一のトラブルでレッカー業者を手配したい時に自動車保険のサービスとして付いているロードサービスが役に立ちます。ロードサービスは各社によりサービス内容が異なるので比較検討が必要になります。
AIGのロードサービスがどのような内容になっていて他社と比べても遜色がないか見ていきましょう。下のグラフが代理店型、ネット保険型それぞれのロードサービスの内容になっています。
■各社ロードサービス内容一覧(代理店型含む)
保険会社 | AIG損保 | 東京海上 | 損保ジャパン | 三井住友海上 | あいおいニッセイ同和 | SBI
損保 |
ソニー
損保 |
アクサダイレクト | 三井ダイレクト | セゾン自動車火災 | イーデザイン損保 | チューリッヒ保険会社 | セコム損保 |
全社共通対応サービス |
〇バッテリー上がり 〇スペアタイヤ交換作業 〇キーとじ込み 〇エンジンオイル冷却水補充作業 〇落輪引き上げ |
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レッカー走行距離 | 搬送費用30万円を限度 | 搬送費用15万円を限度(最大300km) | 搬送費用15万円を限度(最大300km) | 搬送費用30万円を限度(最大500km) | 搬送費用30万円を限度(最大500km) | 50km | 50km | 35km | 50km | 搬送費用15万円を限度(最大300km) | 60km | 100km | 搬送費用20万円を限度(最大250km) |
ガス欠燃料補給 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 〇 | △
※1年目はガソリン代実費。2年目からは10リットルまで無料 |
△
※契約2年目からサービス可能 |
△
※1年目はガソリン代実費。2年目からは10リットルまで無料 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
雪道のスタック引き出し | × | × | × | × | × | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | × |
宿泊費用 | 一人一泊10,000円 | 無し | 無し(オプションで追加) | 一人一泊15,000円 | 一人一泊15,000円 | 一人一泊15,000円 | 限度無(一泊まで) | 最寄りのビジネスホテルまで負担 | 無し | 一人一泊1万円 | 無し | 最寄りのビジネスホテルまで負担 | 無し(オプションで追加) |
交通費用 | 一人20,000円 | 一人50,000円ただしタクシーの場合は30,000円 | 無し(オプション)で追加 | 一人20,000円 | 一人20,000円 | 一人20,000円ただし、レンタカーの場合は30,000円 | 限度無 | 限度無 | 無し(二年目からレンタカー12時間無料) | 一人20,000円 | 無し(提携工場搬送時無料代車) | 限度無 | 無し(オプションで追加) |
車両搬送限度額(修理後搬送サービス含む) | 30万円 | 15万円
提携搬送先は距離無制限 |
15万円
提携搬送先は距離無制限 |
30万円 | 30万円 | 限度無 | 限度無 | 不明 | 15万円 | 不明 | 限度無 | 無し(初回レッカー後は自己負担) | |
その他サービス | ・レンタカー費用補償。日額5000円から20,000円の設定金額内で可能。
・事故の場合は30日。故障の場合は15日限度 |
・レンタカー費用補償。日額5000円15日間まで無料
・修理後車両引き取り費用補償。限度額10万円 |
・レンタカー補償日額7,000円30日間まで無料
・修理後車両引取、搬送費用補償限度額15万円 |
・レンタカー補償日額7,000円30日間まで無料
・修理後車両引取、搬送費用補償限度額15万円 |
・スマホアプリサービス「トラブルナビ」
・チャイルドシートレンタル割引 |
〇ペットホテル費用負担 | ・つながるボタン
・つながるアプリ |
・提携修理工場による無料引き取り、無料納車サービス
・メディカルサポート |
〇ペットホテル費用負担 〇旅行、宿泊キャンセル料負担(5万円限度) |
※横にスクロールすると全体が見れます。
AIGのロードサービスは全体として見ると代理店型の保険会社とほぼ同じ内容になっています。反対に一部のネット型で利用が可能な雪道のスタックなどは対象外となります。雪道や泥道のスタックによる引き上げはJAFのサービスが必要になります。JAFの会員になって引き上げてもらうことで心配は無くなります。
以上のようにAIGのロードサービスは良く言えば他社と同じ内容を提供しています。悪く言えば他社より優れたところはあまりなく、雪道などの引き上げは別途JAFの加入などが必要となります。
「まとめ」AIG損保の当サイトとしての評価は?
以上がAIG損保の自動車保険の内容についてでした。結論から言いますと大手損保会社と同様の補償内容やサービスが受けられるため、評価とすると良い保険会社となります。しかし、代理店型の大手損害保険会社よりも支払う保険料が高ければ加入するメリットは無いです。
例えば、AIGの代理店担当者がとても優れた方で自動車保険に対しての面倒みが良いということであれば補償内容で他社より見劣りすることもないので加入するのは問題ありません。しかし、特にAIGに対して思い入れがないようであれば、他社と保険料を比較して安いようなら加入する。高ければ他社で加入する。そのように決めるのが良い選択です。