事故を起こしてしまい、保険を使用するのは気持ちが落ち込むものです。あなたの大事な車も傷つきますし、相手との対応や保険会社の対応なども気苦労を重ねます。そして一番辛いのは保険を使用すると保険料が想像以上に高くなることです。
今まで支払っている保険料を基準に生活をしています。これ以上保険料が高くなるのは毎月の生活費も苦しくなります。
そんな中、「新しい保険会社に切り替えれば保険料安くなるんじゃないの?」
「今回起こした事故を隠して新しい保険会社に切り替えれば大丈夫じゃないの?」と言う気持ちになります。
事故を起こしてから新しい保険会社に切り替えることができるのか。新しい保険会社に事故を隠して保険料を安く抑えることはできないのか。今回はその点について解説していきます。
事故があってからの切り替えをしたら等級ごまかせるのか?
新しい保険会社に切り替えるにあたり等級をごまかす方法はないのか?と考えてしまいます。別の保険会社になるのですから新しい保険会社に正直に言わなくても調べる方法が無いと思うかもしれません。
たとえば今あなたが8等級だったとします。まだ割引率は大きくありません。なので、新しい会社に今
15等級ですと申告すれば今までより安い保険料で保険に入ることが出来ます。果たしてこれはうまく行くのでしょうか?
残念ながら等級をごまかすことは出来ないのです。なぜごまかすことが出来ないのか。どんな手を使ってもごまかせないのか。詳しく解説します。
正しく申告しなくても見積もりは出してもらえる
新しい保険会社に切り替えようとするときに特定の保険会社に決めていなければ多くの方が一括見積もりサイトを利用します。
特定の保険会社にしても一括見積もりサイトにしても保険料を見積もりするにあたり現在の等級や現在加入の保険会社、事故の回数などを申告する箇所があります。
新しい保険会社で契約をしようとなった時に現在の契約内容を申告する主な項目として3つあります。
①現在加入している保険会社、②現在の等級、③現在の契約中の事故の件数
この3つをわざと間違えて申告をする事も出来ます。先ほどの例で言うと現在8等級なのに15等級と申告することも出来ます。保険会社も事故件数も同様に現在と異なる内容で提出することは出来ます。
そして実際にその内容で見積もりまで取ることは出来ます。上手くすれば申込までできるかもしれません。
実際にごまかした内容で契約をしたらどうなるのか
もしごまかした内容で他の保険会社に申し込みをしたらどうになるのか。残念ながらごまかした内容で契約をし続けることはできません。なぜなら保険会社の間で情報交換制度があるため正確な情報が新しい保険会社に行ってしまうからです。
この図は今の保険会社の等級や事故件数をごまかした内容になりますが、他の保険会社で契約をしたと申告しても話は一緒です。
たとえば今の保険会社と関係の無い保険会社で契約をしたと申告をします。新しい保険会社はあなたが申告した保険会社に問い合わせを行います。そうするとその会社からは「当社にそのような契約はありません」と返答されます。
結果、新しい保険会社はあなたの所に「正しい申告をしてください」と連絡が入ります。このようにどんなに異なる申告をしても保険会社は正しい申告をするまで徹底的に調べます。
そのため、等級を引き上げたり、事故の申告をごまかしたりすることはできないのです。
事故があってからすぐに切り替えても等級は引き継げるのか?
事故で今の保険会社の対応に不満がありすぐにでも保険会社を変えたい場合もあります。事故が起きてすぐでも保険会社を変えることは出来ます。引き続き事故の対応で今の保険会社とのやり取りは残りますが、新しい保険会社にすぐに切り替えても等級は引き継がれることになります。
違約金かからないのか?
あなたが契約の時に一年間の保険料を月払いではなく、年払いで済ませていると契約途中で保険会社を切り替えた時に違約金や残りの期間の保険料が無駄になるか心配になるかもしれません。
これは安心してほしいのですが、新しい保険会社に変えても違約金は掛かりません。
また、契約途中で切り替える場合は残りの月数分を返金してもらえます。ただし、月割り単位での返金となるので、月の途中で解約をすると残り数日間の保険料はムダになります。
たとえば10月1日から1年間の契約をされていて、4月10日に解約をしたとします。この場合5月から10月1日までの保険料は返金されますが、4月10日から4月30日までの保険料は返金されません。
もし少しでもムダな保険料を払いたくなければ5月1日に切り替えると1日も無駄な保険料は発生しません。この1日と言うのが契約の応当日となります。あなたの契約を見て10日契約なら10日が応当日となります。この日をめどに契約を切り替えることをおすすめします。
事故後すぐ切り替えるのは慎重に検討した方が良い
ただし、事故後にすぐに切り替えるのは慎重に考えてください。なぜなら、切り替えた瞬間から事故ありの等級に切り替わるからです。
本来なら契約終了日までは掛かるはずの無い事故ありでの保険料になってしまいます。しかし、逆の発想で契約終了を待つ前に切り替えることで早く事故ありの保険料が終わる事にもなります。本来6月から3年間の事故ありが2月から3年間に前倒しになるからです。
保険会社を切り替えることで今の保険会社よりも事故ありの保険料が安くなるようであれば、契約途中での切り替えもメリットがあります。
新しい会社に契約手続した後にすぐ事故を起こしたらどうなるのか?
新しい会社に変えてすぐ、もしくは契約はしたものの来月から新しい会社に切り替わる間に事故をした場合はどうなるのか心配になります。
しかし、この点はあまり心配する必要はありません。なぜなら、前の保険会社であっても新しい保険会社であっても事故の起きたらしっかりと対応はしてくれるからです。契約直後に事故が起きた後の具体的な流れを説明していきます。
新しい会社の場合
新しく契約した会社になってから事故が起きた場合には大きな問題はありません。事故が起きたことを保険会社に連絡をしてください。代理店型に切り替えた場合には代理店に連絡する形で大丈夫です。
代理店型の方は新しい契約者なので親切に対応してくれるかもしれません。通販型はあまり期待しない方が良いかもしれません。たんたんと事故の対応をこなすと思ってください。
どちらにしても新しい保険会社で事故が起きて保険を使用した場合には翌年の契約から事故ありの保険料が反映されます。
前の会社の場合
新しい保険会社と契約の手続きをしたものの、まだ契約開始日まで少し時間があり、その間に事故を起こしたときには契約が残っている今の保険会社にて対応を行います。
解約の手続きをした保険会社にやってもらうのは気まずいと思うかもしれませんが、保険会社もその点は割り切って対応してくれますので安心してください。
もし今の保険会社が代理店型である場合は、代理店の担当者がやる気のない態度を見せるかもしれません。プロとしてどうかと思いますが、頑張って対応をしても意味がないと判断される可能性があるからです。
あなたが代理店の担当者と話がしづらいようでれば、保険会社の事故サポートセンターに連絡をして対応を直接やる方法もあります。各保険会社のHPにはコールセンターの連絡先がありますので、そちらから連絡をして直接対応することで代理店をはさまずに対応することが出来ます。保険会社の担当者は解約されたからと言って嫌な対応することはありません。
どうしても代理店と連絡を取りたくない場合には直接保険会社とやりとりする方法を取ってください。
事故を起こしても保険会社を切り替えた方が良いメリット
事故を起こして保険を使用した後に保険会社を切り替えるメリットは二つあります。一つは実際に事故で保険を使ったことにより必要な補償内容を理解することができるという点です。
もう一つは事故で保険を使っても他の保険会社に変えることで保険料が安くなる可能性があるという点です。
まず、一つ目の補償内容を理解することができる点です。事故で保険を使う前は保険の内容を何となくの気持ちで入っていたと思います。代理店のおすすめプランや通販型のおすすめプランに何となく入る形です。
しかし、実際に事故が起きると「この補償に入っておけばよかった」「この補償、サービスがあって本当に助かった」と言うのが身をもって感じることが出来ます。
もし「この補償に入っておけばよかった」「こんな補償があったらもっと助かったのに」と思っても、あなたが今加入している保険会社にその補償がない可能性もあります。
たとえば、追突事故の被害にあったのに相手が無保険でこちらの修理代を支払う能力がない人だったとします。そんな時に車両無過失事故特則という補償がある保険に加入していればあなたの車両保険から自分の修理代を支払い、相手への要求は保険会社が代わりに行います。
そして、この補償の良さは無過失の事故で保険を使っても等級が下がらないのです。保険使用による事故が無かったとみなして等級が一つ上がります。この特則がある保険会社とない保険会社があります。
もしこんな事故に遭ったら当然この補償がある保険会社に変えたいですよね。
このように事故によって必要と感じた補償サービスのある会社、もしくはそのサービスに一番安く入れる保険会社に切り替えることは大きなメリットです。
次に他の保険会社に変えることで保険料が安くなる可能性がある点です。今の保険が満期をむかえる2ヶ月ぐらい前に保険会社から「更新のお知らせ」が届きます。事故で保険を使った場合、この更新のお知らせを見ると保険料が想定以上に高くなってビックリするかもしれません。
今の保険会社を変えても良いと思うようであれば、このタイミングで保険会社を変えれば高くなる保険料をおさえられる可能性があります。一括見積もりサイトを利用して事故件数や今の等級を正確に申告することで各保険会社から正確な見積もりが届きます。
その見積もりの中からどの保険会社が一番安い保険会社かすぐにわかります。各保険会社の条件を比較した解りやすい表もメールで届きますので、条件を見比べながらどの保険会社が自分にとって良いか調べることも出来ます。
もしあなたが今の保険に入り続けたくても保険料が高くなって生活が厳しくなるようでしたら数年間だけ安い保険会社に切り替える方法もあります。
一番出費をおさえることができる保険会社に数年間加入して事故ありの保険料から元の保険料に戻ったらまた自分にとって良い保険会社に切り替えるという方法です。
実際に私の契約している方でもこの方法で数年間通販型に切り替えて、数年経過してまた当社に戻ってきた方もいます。
事故で保険料が高くなるからこそ各保険会社の差が出てきます。一番安い保険会社に切り替えるのは生活費をおさえるうえで賢い方法です。
まとめ
今回は事故で保険を使う事になった後の保険会社の切り替え方法について解説しました。今回の説明した内容をまとめてみました。
・保険会社を切り替えるときは正確な内容を申告する
・等級や事故件数をごまかしても保険会社間の情報制度ですぐに見つかる
・事故後すぐに保険会社を切り替えると事故あり等級の高い保険料になるので注意
・事故がきっかけで保険会社を切り替えるメリットは必要な補償がある会社に切り替えることができる。高くなる保険料をおさえることができる
以上になります。
事故によって保険会社を変えることは良くあることです。今の保険会社に気まずいなどと思わず切り替えたいと考えた時には思い切って切り替えることをおすすめします。