普段はあまり気にする事はありませんがJAFの申込書や自動車保険のロードサービスの内容を見ていると、
「JAFと自動車保険のロードサービスってサービス内容一緒じゃない?」
「JAFと自動車保険のロードサービスの違いって何?」
「自動車保険のロードサービスあればJAFに入る必要ないんじゃない」
そういう疑問が生まれてきます。
どちらも同じようなレッカー車を使っているイメージがあるので両方入る意味がないように感じます。しかし、JAFと自動車保険のロードサービスにはサービス内容に一部違いがあります。そして、その違いはいくつかの場面でJAFにしか出来ないサービスもあります。
今回は自動車保険のロードサービスとJAFのサービスの違いについて詳しく解説していきます。
Contents
自動車保険のロードサービスの特徴
まずは自動車保険ロードサービスの詳しい仕組みについて解説していきます。
そもそもロードサービスとは自動車に乗っている時に万が一事故や故障などのトラブルが発生した場合に対応してもらえるサービスです。
自動車保険に契約している場合には自動でロードサービスが付いてきます。
ロードサービスと言うとレッカーけん引と言うイメージを持つ方も多いですが、それ以外にも色々なサービスがあります。
詳しいサービス内容は後ほど解説します。
ロードサービスは車の保険についているので使用すると保険料が上がると思うかもしれません。しかし、そこは安心してください。ロードサービスを使っても保険料は上がりません。保険会社の規定で限度などはありますがそれ以内であれば無料で使うことが出来ます。
ロードサービスを使うのはどんな場面なのか?
私は普段から保険代理店として保険の契約や事故などの対応を行っています。契約者から良く「ロードサービスは事故の時だけ使えるの?」と質問されます。
確かにテレビのCMで事故で車が動かなくなった時にロードサービスを呼ぶシーンが出るので、ロードサービス=レッカー手配と思われがちです。
しかし、ロードサービスは事故で車が動かなくなった時だけではありません。故障などで動かなくなった場合にも利用できます。また、レッカーけん引だけではなく他にもいろいろなサービスがあります。
各保険会社によってサービス内容は異なりますが、主なロードサービスの項目になります。パンクで呼ぶことも出来ますしガス欠やバッテリーが上がった時にも呼ぶことが出来ます。
また、ロードサービスとはあまり関係ないように思える交通費やホテル代までサービスされます。
ロードサービスは保険契約をすれば無料でこれだけのサービスをしてくれます。
各保険会社のロードサービス一覧
先ほど主なロードサービスの項目を出しましたが、各保険会社によってロードサービスのサービスは異なります。
多くの方から「代理店型の保険会社よりも通販型の方が保険料安いからロードサービスも大したこと無いんでしょ?」と質問を受けます。
そこで、大手損害保険(代理店型)と通販型の保険会社のロードサービスの各項目を比較した表を作りました。
■通販型保険会社のロードサービス内容一覧
保険会社 | 東京海上 | 損保ジャパン | 三井住友海上 | あいおいニッセイ同和 | SBI
損保 |
ソニー
損保 |
アクサダイレクト | 三井ダイレクト | セゾン自動車火災 | イーデザイン損保 | チューリッヒ保険会社 | セコム損保 |
全社共通対応サービス | 〇バッテリー上がり 〇スペアタイヤ交換作業 〇キーとじ込み
〇エンジンオイル冷却水補充作業 〇落輪引き上げ |
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レッカー走行距離 | 搬送費用15万円を限度(最大300km) | 搬送費用15万円を限度(最大300km) | 搬送費用30万円を限度(最大500km) | 搬送費用30万円を限度(最大500km) | 50km | 50km | 35km | 50km | 搬送費用15万円を限度(最大300km) | 60km | 100km | 搬送費用20万円を限度(最大250km) |
ガス欠燃料補給 | ○ | ○ | ○ | ○ | 〇 | △
※1年目はガソリン代実費。2年目からは10リットルまで無料 |
△
※契約2年目からサービス可能 |
△
※1年目はガソリン代実費。2年目からは10リットルまで無料 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
雪道のスタック引き出し | × | × | × | × | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | × |
宿泊費用 | 無し | 無し(オプションで追加) | 一人一泊15,000円 | 一人一泊15,000円 | 一人一泊15,000円 | 限度無(一泊まで) | 最寄りのビジネスホテルまで負担 | 無し | 一人一泊1万円 | 無し | 最寄りのビジネスホテルまで負担 | 無し(オプションで追加) |
交通費用 | 一人50,000円ただしタクシーの場合は30,000円 | 無し(オプション)で追加 | 一人20,000円 | 一人20,000円 | 一人20,000円ただし、レンタカーの場合は30,000円 | 限度無 | 限度無 | 無し(二年目からレンタカー12時間無料) | 一人20,000円 | 無し(提携工場搬送時無料代車) | 限度無 | 無し(オプションで追加) |
車両搬送限度額(修理後搬送サービス含む) | 15万円
提携搬送先は距離無制限 |
15万円
提携搬送先は距離無制限 |
30万円 | 30万円 | 限度無 | 限度無 | 不明 | 15万円 | 不明 | 限度無 | 無し(初回レッカー後は自己負担) | |
その他サービス | ・レンタカー費用補償。日額5000円15日間まで無料
・修理後車両引き取り費用補償。限度額10万円 |
・レンタカー補償日額7,000円30日間まで無料
・修理後車両引取、搬送費用補償限度額15万円 |
・レンタカー補償日額7,000円30日間まで無料
・修理後車両引取、搬送費用補償限度額15万円 |
・スマホアプリサービス「トラブルナビ」
・チャイルドシートレンタル割引 |
〇ペットホテル費用負担 | ・つながるボタン
・つながるアプリ |
・提携修理工場による無料引き取り、無料納車サービス
・メディカルサポート |
〇ペットホテル費用負担 〇旅行、宿泊キャンセル料負担(5万円限度) |
※横にスクロールすると全体が見れます。
青い色の保険会社は代理店型です。ピンクの保険会社は通販型になります。代理店型はレッカー搬送費用が通販型と比べると充実しています。搬送距離50キロが多い通販型に比べて200キロ以上搬送してくれます。提携先では無制限でけん引してくれる会社もあります。
それ以外の保障内容では通販型にも同じサービスをしている会社もあります。ソニー損保は宿泊費や交通費もしっかり出します。
また、代理店型の保険会社は雪道などのスタックに対してのサービスはしていません。それに対してアクサダイレクトなどの一部の通販型は雪道のスタックの対応をしています。その点は通販型の方が優れいています。
代理店型も通販型もロードサービスの補償内容は一長一短です。あなたがどのような状況で車の運転をするかを想定してその用途に応じてどの保険会社のロードサービスが合っているか探すのが良いです。
ロードサービスだけで良いのでは?
ここまでのロードサービスの内容を見てどう感じますか?
「ここまでサービスがあればJAFに入らずロードサービスだけあれば良いんじゃない。」と思うかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは限りません。実はロードサービスに出来ないことがJAFにはできることもあります。また、それ以外にもJAFならではのサービスと言うのもあります。
JAFとロードサービスの明確な違いを知りたい
JAFもレッカーけん引などのロードサービスを行う組織です。入会費2,000円、年会費4,000円で加入することが出来ます。
JAFの会員にならなくても出動依頼をすることが出来ますが、全て有償です。会員になればほとんどのサービスが無料になります。
JAFは保険会社のロードサービスと同じに見られがちですが、JAFのサービスの内、保険会社のロードサービスには出来ないものがあります。主な項目として下記の3つがあります。
・雪道などのスタック(空回り)の引き上げ
・パンクしたタイヤの応急処置
・地震、津波などの自然災害による走行不能
パンクの応急処置や地震などの自然災害はあまり利用する可能性は低いかもしれません。私が一番契約者にJAFに加入する判断で使うのが雪道や泥道などのスタックです。スタックとはタイヤが回っても空回りし、前後に進めず身動きが取れない状態の事を言います。
先ほどの図で見ると一部の保険会社のロードサービスでスタックによる引き上げが可能なところもあります。しかし、保険会社が提携しているレッカー業者で山間部に対応していない場合もあります。対応しているとしても現場到着までに相当な時間がかかる場合もあります。
あなたが寒冷地に住む方やウィンタースポーツに行ったり、もしくはマリンスポーツやアウトドアで悪路を運転したりする場合にはJAFに入っておいた方が安心して運転が出来ます。
それ以外にもあるJAFに加入することの特典
緊急時の対応などのサービス以外にもJAFに加入すると様々な特典があります。
・自分の車以外にも呼ぶことが出来る
たとえばレンタカーを借りて乗っていたり、友人の車の助手席に乗っていたりして道中でトラブルが発生した場合、あなたがJAFに加入していれば呼んで緊急対応をしてもらうことが出来ます。自動車保険のロードサービスはあくまでも契約している車だけのサービスです。
それに対してJAFはあなたと言う会員向けのサービスです。会員であるあなたが乗っている車でトラブルがあった時に駆けつけてくれます。
・作業費の無料枠が大きい
事故や故障でレッカーを呼んだ場合、その場でかかる作業費と言うのが発生することがあります。例えば事故でガラスやランプなどの車の一部が破損して道路に飛び散った場合、清掃作業が必要になります。
少しの清掃作業なら大した金額にはなりませんが、大規模になった場合、自動車保険のロードサービスでは対象外の費用とみなされ契約者に請求されます。その点、JAFは4,000円までの作業費は無料となります。
・レッカー移動距離がプラス15キロ増える
JAFのレッカー移動は会員であれば15キロまで無料です。これにあなたが契約している自動車保険のロードサービスの無料分を追加することが出来ます。手続きは簡単です。JAFを呼ぶ時に契約している保険会社を伝えれば大丈夫です。遠方でレッカーを呼ぶときにも安心して使えます。
・JAF会員優待サービス
車のトラブル以外にもJAF会員証などを提示すると割引になるサービスがあります。ファミリーレストランやカフェなどのいつも利用するお店や宿泊施設などで利用できます。提携店舗・施設は全国に47000箇所あります。上手く利用すれば割引だけでも年会費のもとを取れるという方もいます。
以上がJAFならではの特典です。雪道などで運転することが無くても上記のような特典にメリットを感じるのであれば入会することをおすすめします。
まとめ
今回はJAFと自動車保険のロードサービスの違いについて解説してきました。今回の内容をまとめると以下のようになります。
・ロードサービスはレッカーけん引以外にも事故故障において役に立つ
・自動車保険のロードサービスには交通費などのサービスまで含まれている
・自動車保険のロードサービスは各保険会社によりサービス内容が異なる
・JAFは年会費を払う代わりに保険会社には出来ないサービスも行っている
・雪道、泥道、砂浜などの悪路を運転する場合にはJAFを利用した方が良い
・JAFにはロードサービス以外にも割引クーポンなどのメリットがある
以上になります。ちなみに私はJAFに入会しています。あまり雪道などに行くわけではないのですが、JAFの方が事故などの対応が慣れているので呼んだ時に安心だからです。
しかし、今回説明した内容を見て必要ないなと感じたら無理に入会することはありません。JAFと保険会社のロードサービスの違いを理解して必要と感じた時に入会すれば良いです。