自動車保険の更新は多くの方が毎年更新の手続きが必要です。しかし、忙しくて手続きを忘れてしまったり、更新の案内が届かなかったりすることもありますよね。でも、自動車保険の更新を忘れると、大きなデメリットがあります。それは、等級がリセットされて保険料が上がることと、補償が受けられなくなることです。
この記事では、自動車保険の更新を忘れた場合に起こるリスクと、それを回避する方法について解説します。
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自動車保険の更新を忘れると等級がリセットされる
自動車保険には、事故がなければ毎年割引率が上がっていく等級制度があります。等級は1から20まであり、20等級が最高で63%の割引になります。逆に事故を起こすと等級が下がって割引率も減ります。
例えば、実際の保険料が10万円だった場合、20等級だと47,000円、6等級だと81,000円になります。つまり、等級が高ければ高いほど保険料は安くなります。
もし、あなたが自動車保険の更新を忘れてしまい、満期日から7日以内に手続きをしないと、せっかく上がった等級が消滅し、6等級にリセットされてしまいます。これは新規契約と同じ扱いになってしまいます。その結果、保険料は大幅に上昇します。
自動車保険の更新を忘れると補償が受けられなくなる
自動車保険の更新を忘れると、もう一つ大きなデメリットがあります。それは、補償が受けられなくなることです。
自動車保険の補償は、契約期間中に限られます。つまり、満期日を過ぎると補償対象外になります。もし満期日以降に事故を起こしてしまったら、保険の対象外となり、自己責任、自己負担で対処しなければなりません。
事故の相手方から損害賠償を請求された場合や、自分の車両や人身に被害があった場合も、自分で負担しなければなりません。これは非常に重大なリスクです。
自動車保険の更新を忘れた場合の救済策
しかし、もし自動車保険の更新を忘れてしまった場合でも、あきらめる必要はありません。一定の条件下で救済策があります。
保険会社によっては満期日から一定期間内に更新すれば等級が継続できる
自動車保険の更新を忘れてしまった場合でも、保険会社によっては満期日から一定期間内に更新の連絡や手続きをすれば、等級が継続できる猶予期間があります。
この猶予期間は保険会社によって異なりますが、一般的には満期日の翌日から6日間というケースもあれば、1ヶ月というケースもあります。この期間内に更新手続きをすれば、等級がリセットされずに済みます。
ただし、この猶予期間は等級をリセットされないためのものであり、補償を受けられるという意味ではありません。つまり、満期日以降に事故を起こした場合は補償されません。その点は注意が必要です。
保険会社によっては自動更新手続きサービスを実施している
あなたから保険会社に連絡をしなくても自動で自動車保険の契約が更新されている場合もあります。これは満期までに契約者と保険会社もしくは代理店との間で連絡のやり取りができなかった場合に前回の契約と同条件で自動更新するという特約になります。
自動更新を実施している保険会社
自動車保険の自動更新特約をつけることができる保険会社は以下の通りです。
・東京海上日動
・損保ジャパン
・三井住友海上
・あいおいニッセイ同和損保
・チューリッヒ保険
・アクサ損害保険(アクサダイレクト)
ただし、気をつけるべき点として、自動継続特約は必ず付いているわけではありません。自動付帯の会社もありますが、オプションとして自動継続を選択する会社もあります。また、3年契約や2台以上のまとめた契約をしている方は自動継続特約が対象外になる場合もあります。いずれにしても気になるようでしたら現在の保険内容を確認することをお勧めします。
猶予期間中に事故が起きた場合の補償の有無や条件
猶予期間中に事故が起きた場合の補償の有無や条件は、保険会社によって異なります。
一部の保険会社では、猶予期間中に事故が起きても、その後に更新手続きをすれば、満期日にさかのぼって補償してくれる場合があります。これは「継続うっかり特約」と呼ばれるもので、ほとんどの自動車保険に自動的に付いています。
しかし、この特約を使うと、次回の更新時には適用されません。また、補償内容や金額に制限がある場合もあります。そのため、事故が起きた場合は必ず保険会社に確認してください。
いずれにしても継続うっかり特約があるから安心と油断をしてしまい、更新をおこたってしまうと事故を起こして保険が使えないという可能性も出てきます。そのため、慢心しないで必ず更新の手続きは注意して行ってください。
猶予期間を超えても特例で等級を継承できる場合や必要な書類
猶予期間を超えてしまった場合でも、特例で等級を継承できる場合があります。これは「等級継承期間延長に関する特例」と呼ばれるもので、主に代理店型自動車保険が対象です。
この特例では、満期日から180日以内であれば、やむを得ない理由があれば等級を引き継ぐことができます。やむを得ない理由としては、以下のようなものがあります。
- 契約者または代理店が長期入院していた場合
- 契約者または代理店が法定伝染病などで身柄を拘束されていた場合
- 契約者が緊急の国内出張・転勤などがあって更新手続きできなかった場合
- 契約者や代理店が火災などの災害に罹災していた場合
- 加入していた代理店が廃業した場合
この特例を受けるためには、証明書や確認書などの書類を提出する必要があります。また、この特例でも補償は受けられません。
自動更新にするメリットや注意点
自動車保険の更新を忘れないためには、自動更新にするのが一番簡単です。自動更新とは、口座引き落としやクレジットカード払いにしておけば、期日が来れば自動的に保険料が引き落とされて契約が更新される仕組みです。
自動更新にするメリットは、以下の通りです。
- 更新手続きを忘れる心配がない
- 等級がリセットされるリスクがない
- 補償が途切れることがない
自動更新にする注意点は、以下の通りです。
- 口座に残高がなかったり、クレジットカードの限度額がオーバーしたりすると、更新されない場合がある
- 自動更新だと保険内容や保険料を見直す機会が減る
- 他の保険会社に乗り換えたい場合は、事前に解約手続きをしなければならない
更新時期には保険内容や保険料を見直すことの重要性
自動車保険は毎年更新する必要がありますが、その際には保険内容や保険料を見直すことも大切です。なぜなら、以下のような理由があるからです。
- 自分の年齢や運転者の範囲、免許証の色などが変わって割引率が変わる場合がある
- 自分の車の使用目的や走行距離が変わって補償内容を変えた方がいい場合がある
- 保険会社によって保険料やサービスが異なるため、他の保険会社に乗り換えた方がお得な場合がある
保険内容や保険料を見直す方法は、以下の通りです。
- 保険会社から届く更新案内をよく確認する
- 保険会社や代理店に相談して最適なプランを提案してもらう
- ダイレクト型自動車保険の一括見積もりサイトで比較検討する
まとめ
自動車保険の更新を忘れると、等級がリセットされて保険料が上がったり、補償が受けられなくなったりするリスクがあります。そのため、更新手続きを忘れないようにしましょう。また、更新時期には保険内容や保険料を見直すことも大切です。自分に最適でお得な自動車保険を選ぶためにも、様々な情報を参考にしてください。