自動車保険の会社を選ぶ理由について様々あると思いますが、特に理由はなく、車を買った自動車販売会社で保険を進められたので何となく入ったという人も多いのではないでしょうか?
そのような人でも「テレビCMや周りでインターネット型(通販型)の自動車保険に入ると安くなる」と聞いたことがあると思います。
「安くなるならインターネットの自動車保険も良いかな」と感じても、他の人からは「インターネットの保険は対応が悪いから止めた方が良い」と聞くこともあります。実際のところ、調べようとネットで各保険会社の評判を検索しても、どの会社にも良い評価もあれば悪い評価も出てきます。
そんな評判を見ると自分がどの会社を選んで良いかわからず、結局いままで通りの保険会社で更新したままになるという人は多いです。
私は保険の仕事を通して何が評価に値して、何が悪い評価になるのかを肌で感じてきました。その経験から、保険代理店の立場から見ても評価の高い通販型保険を紹介します。
Contents
保険料でも事故対応でも満足したい
通販型自動車保険の評判をインターネットで調べると、二つの点で評価が分かれます。一つは契約者が保険会社に支払う保険料に対する評価です。もう一つは保険会社の事故対応の評価です。
通販型自動車保険に乗り換える一番の目的は保険料の安さです。代理店型と呼ばれる東京海上日動や三井住友海上などの保険料と比べると明らかに安いです。
保険料だけで満足するのであれば、一括見積もりサイトで一番安い保険会社を調べることで、保険会社選びは完結です。しかし、保険料が一番安いと言われる会社でも評価が低い場合があります。
それは事故対応の評判が悪い場合です。結局のところ保険を選ぶ上で、保険料だけでなく、事故対応の評判も重要視されるのです。
保険商品の評価の基準
自動車保険を購入するとき、3つの評価から通販型保険会社を決定するといいです。
①保険料
②事故対応の評判
③保険を使った後、翌年度の更新がしやすいか
以上の3つの基準からおすすめの保険会社を選んでいきます。③の「翌年度の更新のしやすさ」を入れた理由は後述します。まず、当サイトのおすすめする保険会社を発表します。その後、なぜこの会社を選んだのかを順序立てて説明します。
当サイトのおすすめ通販型保険会社ベスト3は以下になります。
1位イーデザイン損保
2位ソニー損保
3位チューリッヒ保険
この三つの保険会社を選んだ理由を①保険料、②事故対応の評判、③保険を使った後に翌年度の更新がしやすいか、それぞれの評価を踏まえて説明していきます。
保険料に対する評価
まずは通販型保険会社を選ぶ大きな理由である保険料に対して評価をしていきます。これは、私が実際に比較サイトで一括見積もりを使ってみたときの価格です。
比較サイトを利用しての保険料一覧
【保険料算出条件】
30歳 男性ブルー免許
年間走行距離:5000~10000Km
使用目的:通勤使用
車種:プリウス(初度登録平成22年1月)型番:NHW20
保険料等級:12等級(事故期間なし)
※等級とはその人の事故状況によって保険料を決める、ランクのようなものです。最初は6等級から始まり、無事故であれば毎年1等級ずつあがり、最大20等級まであがります。
年齢条件:30歳以上
運転者限定:限定条件なし
※運転者限定とは、この保険を使用できる人の範囲を示すものです。本人・配偶者限定、家族限定、限定条件なしとあり、限定条件なしでは一番保険料が高くなります。
【補償内容】
対人賠償・対物賠償:無制限(対物超過あり)
人身傷害5000万円(搭乗中のみ)
車両保険:車対車A(自損事故の修理代は補償しないプラン)
免責:年1回目0円・2回目以降10万円
※免責とは保険を使うとき、自己負担する金額になります。
※保険会社によっては1回目5万円(免責なし)が最低条件になっています。
その他特約:弁護士費用あり
以上の条件で各保険会社より保険料を見積もりしてもらいました。保険料の安い順は次のようになります。
1位 チューリッヒ保険:45,410円(ただし、車両保険1回目から5万円負担)
2位 SBI損保:48,190円(ただし、車両保険1回目から5万円負担(車対車の場合は免責0))
3位 イーデザイン損保:49,540円
4位 アクサダイレクト:52,000円
5位 ソニー損保:53,670円
6位 三井ダイレクト:57,280円
7位 セゾン自動車火災:59,720円
※補足:チューリッヒとSBI損保の免責5万円というのは、例えば修理30万円を保険で支払う場合に、5万円差し引いた25万円を支払うことになります。ただし、SBI損保は車と車の接触事故の場合はこの自己負担は0円になります。
この通り、保険料は各社により異なります。多少条件の違いはありますが、それでもチューリッヒとセゾン損保(おとなの自動車保険)の保険料を見比べるとチューリッヒに魅力を感じてしまいます。
ただし、掲載している保険料はあくまで特定の年齢、車種条件により算出されたものであり、条件が異なると保険料の変動、保険会社の順位も変動します。
保険料の比較は一括見積サイトに登録すれば簡単にできますので、あなたの車の保険料がいくらになるか知りたい場合には一度比較してみてください。
事故対応に対する評価
保険料においてはチューリッヒやSBI損保などがとても魅力的に感じました。これで事故対応の評価も高ければ保険会社選びの最有力候補になります。ここからは事故対応についての評価を見ていきます。
事故対応というのは保険料と異なり明確な数値はありません。事故した契約者が主観的に対応について評価するものなので、数値化などの誰から見ても明確な評価を出すのは難しいです。
そこで当サイトでは客観的な評価として、外部機関が行った事故対応評価を基にします。また、事故対応というのは事故を扱う保険会社の担当者によって大きく異なります。口コミサイトで同じ保険会社なのに評価が分かれるのはそのためです。しかし、事故の担当者を契約者が指名することはできません。運任せということになります。
それでは事故対応の評価が公平ではなくなるので、事故対応評価に加えて、通販型の保険会社がロードサービスの内容や現場対応などの各社のサービス内容を比較することで評価していきます。
第3者機関の客観的評価
第3者機関の評価としてJDパワー、オリコン、価格.comの3つを引用します。この3つを選ぶ理由は以下の項目です。
1.回答者の多さ
2.事故対応満足の指標として担当者から顧客への連絡回数など具体的な事例をもとに作っている
3.保険会社も自社広告の「顧客満足第○位」という宣伝の根拠としてこの3社から引用されることが多い
以上の理由で、客観的根拠として利用する価値があると判断しました。なお、3社のランキングにおいて、代理店型保険会社もランクインされてますが、今回は通販型保険会社のみ抜粋していますのでご了承ください。
各社のランキングは以下の通りになります。
JDパワー
1位チューリッヒ保険
3位ソニー損保
5位イーデザイン損保
7位セゾン自動車火災
9位アクサダイレクト
10位三井ダイレクト
12位SBI損保
オリコン
1位イーデザイン損保
2位ソニー損保
4位チューリッヒ保険
8位セゾン保険
10位アクサ損保
価格.com
4位ソニー損保
8位チューリッヒ保険
10位アクサ損保
実際の事故の時に役に立つサービスの評価
先ほどの事故対応満足度だけでは各保険会社の事故対応の評価はできません。満足度の通り各保険会社の事故担当者が均一な対応を取れれば問題ないですが、私の経験上、保険会社の担当者も一人の人間なので、同じ保険会社でも担当者の性格により対応にばらつきがあります。
そこで事故対応において均一な差別化をはかれるものとして以下の項目でも評価の基準にすることにしました。
1.ロードサービス
2.現場急行サービス
これを順に見ていきましょう。
ロードサービスの対応について
ロードサービスはどの保険会社もやってますが、サービス内容には異なる点があります。例えば事故や故障で車を引っ張るレッカーの走行距離です。
自宅の近所を運転するだけであれば走行距離を気にする必要はないですが、旅行でトラブルになった場合、レッカーが自宅付近の修理工場まで無料で運べるのか、運べないのかでは大きな違いです。
そこで、ロードサービスの各社のポイントをまとめました。
ロードサービス比較表
あなたが何を優先するかによりますが、私が日々お客様からロードサービス手配を受ける多くの項目として、レッカー移動が圧倒的に多いです。例えばパンク修理でロードサービスを手配しても、その場で修理できない場合はレッカー車で引き上げます。
またパンクやガス欠などでロードサービスを呼んだとしても、実際に現場に来るのはレッカー車に乗った業者が多いです。
保険選びで迷った場合はレッカーの走行距離で選ぶ事をおすすめします。また、レッカー移動については搬送距離だけを見るのではなく、修理後の搬送距離も見てください。
遠方での事故や故障で搬送された場合、修理後搬送が限度無の会社であれば、仮に自宅から500キロ離れたところであっても、無料で自宅まで搬送してもらえます。
現場急行サービスの対応について
私のような代理店型保険を売るものとして、差別化にあげていたのが現場急行サービスです。なぜ現場急行が重要かというと、契約者が事故現場でとまどうからです。
ほとんどの人は何年、何十年かに一度事故を起こすだけです。事故に慣れてないので、いざ事故が起きた場合、事故現場でどのような対応をして良いかわかりません。
そんなとき、代理店の担当者が現場に来て警察への連絡や修理先の手配、事故状況の確認、事故相手との交渉を全てその場でやることができれば、契約者はとても安心します。
通販型はレッカー車が来るだけで担当者が来ることはありません。しかし、代理店型の担当者のサービスまでは行かなくても現場に駆けつけて初期対応をしてくれる会社が出てきました。セコムやアルソックに依頼し警備担当者が駆けつけるという方法です。
代理店型担当者は営業時間外、定休日、他の用事があれば駆けつけられませんが、セコムやアルソックならその欠点も補えます。
セコム現場急行サービス内容
~イーデザイン損保HPより抜粋~
ALSOK現場急行サービス
~セゾン自動車火災HPより抜粋~
相手との交渉まではできませんが、警察の連絡補助や事故現場の状況を保険会社に報告など、契約者が事故現場で戸惑うような対応は一通りしてもらえて安心です。
しかもいまでは、代理店型の保険のオプションとしても警備会社の現場急行サービスを付けるようになりました。こうなると担当者が現場に駆けつける代理店でなければ無駄に保険料を支払うだけになります。
それだけこの現場急行サービスはメリットがあります。現場急行サービスがあるのは以下の会社になります。
- セゾン自動車保険サービス ALSOK現場急行サービス
- ソニー損保 セコム現場急行サービス
- イーデザイン損保 セコム現場急行サービス
事故対応でのベスト5
以上の項目を踏まえて、当サイトで事故対応の評価が高い会社を記します。
1位ソニー損保
理由:ロードサービスの内容のバランスが良いです。遠方で事故、故障があっても実費のかかる可能性は極めて低い点が高評価です。加えて事故の時はセコム急行サービスがあるので、事故現場でも安心感があります。
2位チューリッヒ
理由:事故の時に現場急行サービスが無い点がマイナスですが、ロードサービスは充実しており、遠方のロードサービス利用時でも自己負担が掛かる可能性が低い点を評価しました。
3位イーデザイン損保・セゾン自動車火災
理由:イーデザインはロードサービス利用時の移動・宿泊費用が無い点がマイナスです。セゾン自動車火災は雪のスタック引き出しが出来ない点がマイナスです。どちらにもロードサービスにおいてマイナスポイントはありますが、事故の時の現場急行サービスがある点を評価しました。
5位アクサダイレクト
理由:レッカー搬送距離が他社と比べて30キロと少ない点でマイナスです。しかし、修理後搬送距離は限度無という点、それ以外のロードサービスの内容も充実している点を評価しました。
これが当サイトで選ぶ事故対応のベスト5になります。
あまり知られていない保険使用後の更新について
今回の評価に保険の更新を評価に入れた理由として、いくら保険料、事故対応が良くても保険を使用後、翌年度の更新を拒絶される保険会社があるからです。前年に複数回保険を使用してしまうと、一部の通販型保険会社は更新を拒絶します。
そうなると事故後も引き受けてもらえるのは代理店型の保険会社のみになります。代理店型の保険は高く、事故後の保険料は通常の保険料より高くなります。数年単位で考えると他の保険会社に入っていた方が安くなる場合があります。
自動車保険は事故が無ければ毎年1等級上がり、上がれば上がるほど保険料の割引率が高くなり、保険料が安くなります。しかし1回事故で保険を使用すると保険料の等級が3等級下がります。そして事故有期間というより「割高な保険料が発生する期間」が保険を1回使用するにあたり3年発生します。
今回の例では年2回事故で保険を使用したので等級は6等級(3×2回) 下がり、事故有期間が6年になります。
この図のように最初の保険料が安くても複数回の保険使用で保険会社から更新を拒絶されてしまうと、代理店型の保険以外に入る手段がなくなり、数年単位でみるとかえって高い保険料になってしまいます。そのため、複数回の保険使用で更新できるかできないかは大事なのです。
しかし、どの保険会社が更新できるのかは各社のホームページには具体的な記載がないです。そこで、今回の更新できるかどうかを実際に各社へ質問をしてみました。
チャットで質問できる保険会社にはチャットで。メールで問い合わせできる会社にはメールで同じ質問内容を投げかけました。
それに対して回答をもらった会社を記載します。なお、回答もらえない会社は更新できないものとみなします。本当に更新できないかはわかりませんが、保険会社を検討している人に対して回答もできない会社は、はっきり言って自社の顧客への連絡もたいしてできないと思うからです。
更新可能会社
ソニー損保
イーデザイン損保
セゾン損保
三井ダイレクト
以上の会社は年に3回保険を使用すると更新拒絶される可能性もありますが、年に2回程度や等級が1等級まで下がらない場合には拒絶されない可能性が高いです。ちなみに、代理店型自動車保険は1等級になっても更新は可能です。そのぐらい更新に対しては柔軟な対応をします。しかし1等級まで下がった場合は補償内容に制限が掛かります。
例えば「対物賠償補償」と呼ばれる、「事故で相手の車や物を壊してしまった場合の損害を保険で支払う補償」で通常は保険で損害額の全額を支払い、契約者の自己負担は0円で契約します。しかし、1等級の場合、保険会社が更新を認める条件として、自己負担10万円を付けるなどの制限が掛かります。
ソニー損保やセゾン自動車火災の回答に「契約条件に制限がかかる場合があります」という記載があります。これは先ほど記載した代理店型保険会社でも設けている制限と同じものになります。
つまり、上記の通販型保険会社は代理店型と同じような制限はかかりますが、更新がしやすいといわれる代理店型保険会社と同じぐらい更新しやすいということになります。
反対に、複数回の事故をすると更新が難しい会社は以下になります。
SBI損保
チューリッヒ
更新可能な会社が明確な回答を出してきたのに対し、非常にあいまいな返答が来ました。年2回の保険使用でも更新拒絶する可能性があるとにおわせる内容です。また、口コミサイトなどでも年2回の保険使用で更新拒絶されたという内容もあったため、更新は難しいと評価します。
アクサダイレクト
未回答
正確には回答が無かったわけではないです。しかし、平日の昼間に電話が来ました。当然仕事中なので出なかったところ、メールではなく電話で直接話したいので電話をくださいという返答が来ました。
メールや文章で回答するのが難しいルールなのか、勧誘なのか解りませんが、他の会社はメールもしくはチャットで返答頂いたのと比べて利用者に大して不親切だと評価します。
以上が更新しやすい会社、難しい会社になります。しかし、更新できますと言っている会社であっても、場合によっては更新できないと言われる可能性もあります。
例えば、新規で加入した年に数百万円の損害の事故を2回起こしたら断られるかもしれません。通販型自動車保険は安い保険料で運営しているので多くの損害を出す人は会社に取ってマイナスになります。今回の回答が全てではないことを理解してください。
まとめ 当サイトでのおすすめ通販型保険3選
このように総合的に判断して当サイトがおすすめする通販型保険会社を決めました。
第1位イーデザイン損保
保険料は他社と比べてもお手頃な価格です。事故対応はセコムの現場急行サービスがあり事故現場でも安心できます。オリコンの事故対応満足度でも首位になるなど、事故後の対応にも評価をしました。
また、私が事故相談を受けた人で他の通販型で更新拒絶された年二回保険使用者に対して、その他の通販型保険会社は契約拒否したにもかかわらず、イーデザイン損保は保険の契約を受け入れる対応をした経緯もあり、複数回の保険使用でも安心できる点を評価しました。
第2位ソニー損保
保険料はチューリッヒなどと比べて見劣りしますが、ロードサービスの充実、セコムの現場急行サービスなど事故や故障で利用する時に安心感があります。保険使用後の更新のしやすさも評価しました。
第3位チューリッヒ保険
保険料が他社と比べて安い点が高評価です。事故対応においてロードサービスは充実しており、JDパワーの事故対応ランキングで1位になるなど保険料の安さと対応のバランスは非常にいいです。
しかし、事故の時の現場急行サービスが無い点、保険使用後の更新が難しい点を考慮すると上位2社と比べて不安があります。
以上が当サイトにおけるおすすめ通販型保険会社になります。保険料については車の車種や契約者の年齢などの条件により変動をしますので、あくまでも参考としてみてください。
このランキングをもとにどの会社にすべきか検討してもらえば幸いです。